失いしもの

失いしもの

失ったものの大きさを思えば、

 

せめてそれくらい、

 

手に入れなくてどうするのか。

 

 

人は失ったものが

 

二度と手に入らないと知ったとき、

 

変わらざるを得ないものだ。

 

好むと好まざるにかかわらず。

 

そうしてどうにか、

 

正気と狂気の間を彷徨うのだ。

 

 

失ってはならないものを失った時、

 

人は自身の過去の一切を捨てて、

 

孤独な道を一人歩んで行く覚悟を

 

決めねばならないのだ。

 

命果てる、その日まで。

 

 

誰も恨まず、

 

誰も妬まず、

 

誰にも怒らず、

 

誰にも笑いかけることもないまま、

 

生涯が終わる日まで。

 

 

だから、せめてそれくらい、

 

手に入れないでどうするのか。

 

命の尽きる、その日までに。

 

(YUI)